合気道の体術には、数えきれない技がありますが、取り方によってさらに技が変化します。取り方というのは取り(仕手)に向かって受けがどのように掛かっていくかということを意味しています。腕をつかんでいるのか、肩なのか、襟首なのか、あるいは突いてくるのか、蹴ってくるのかなど、あらゆる取り方が想定されますが、技術の修練と氣を練る鍛錬を両立する手段として普通の稽古に取り入れられた形がいくつかあります。
合気の技に慣れていく過程では、座りに続いて立ち技の正面打ちが一般的です。そののち、片手及び両手取りとなります。
【片手取り】
片手取りというのは、文字通り受けが取り(仕手)の片方の手首を右手又は左手で掴んだ状態のことを指します。
相半身: 右構えの場合、受けが右手で取り(仕手)の右手を取る状態、交叉取とも称します。同じく左構えの場合、左になります。
逆半身: 取りが左構えの場合、受けは右構えとなり、取りの左手を受けが右手で掴む状態です。
手首を掴むのが一般的ですが、袖や二の腕あるいは肩取りへも展開します。
体術動作の基本を学び、あるいは考究するには正面打ちとこの片手取りが適しています。
立技では足捌きと合わせてこの片手取りで体感を会得していきます。
【両手取り】
両手取りは双手(諸手)取りとは異なり、取り(仕手)の両手を受けの両手で掴んだ状態のことを指します。取りは両手が塞がれた状態で、押さえつけてくる、強く握られる、強く引っ張られる場合もあります。無様に腕を伸ばすことなく、脇を絞め身体の中心を意識して丹田力を発揮します。
ここでも”先を取る、外す、合せる”を使い分けます。受け手の力そして氣の流れが感じやすく、丹田力と共に氣を読む鍛錬になります。強く持たれる前に外す場合もあれば、持たせて合せ導くことも重要です。合氣道独特の稽古法と云える特徴的な取り方です。
―武産合氣會ー
➡ 双手取り
➡ 胸取りと突き
➡ 蹴り
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