合氣道 杖術 武産合氣會
合氣道(惟神合氣道)には得物(武器)を使った技の習熟
が求められ、またそれが合氣道の体技の上達に欠かせません。中でも杖は合氣道の特徴をよく表し、開祖 植芝盛平翁も好んで嗜まれた合氣道技法の王道です。
当会(惟神合氣道 武産合氣會)において杖術は体技の基本として剣(合氣剣)と共に修練しますが、剣とは違い、向きが無い、つまり刃がないので、どの向きにも使える上に突いても押しても振っても投げても自由自在、心の御柱とするのも容易です。云ってしまえば長さが四尺前後から~五尺程度の木の棒、まさに杖そのものですから、自由度が高いのです。当会合氣剣技にも数百以上の技がありますが、杖技の数は剣技を遥かに凌駕します(杖技の量 ≫ 剣技の量)。さらに普段持っていてもあまり違和感がありません。子供用は短くて細く軽いのですが、大人用は当然太く長くなります。特に鍛錬用の杖は棍棒といってもいいような太さと重さがあります。
世界に誇るべき日本独特の剣・日本刀の洗練された造形美、歴史的価値、剣技の素晴らしさも勿論ありますが、現代において杖術よりも剣術が圧倒的に目立つ存在であるのは小説や映画ドラマの影響でしょう。安直ですが剣術に憧れる気持ちも理解できるというものです。
一方、杖を普段持ちにするなら、短い杖や警棒ならぬ短棒にすることも可能で、何でも良いからあればいいという状況でも杖術を習得していれば身体が勝手に動くようになります。時をかけ合氣を正しく学べば躰に近い(一体化し易い)杖技は体技に容易に結びつき、素手の状態でも合氣が剣だけではなく杖と結びついていることが実感できるはずです。
その動きは剣にも通じますが、杖が剣を含包する(杖術 ⊃ 剣術)、つまり杖技に巧みな人は必ず剣技にも達します。その逆ではありません。性向や好悪も作用し全てそうと言い難い場合も多少はありますが、杖技が好きで尚且つ(滅多にいませんが)巧みな人に剣を持たせて少し基本を教えると、必ず目を見張る程の剣技を揮えるのです。
因みに剣技のみを好み剣(竹刀は剣ではないが杖に繋がらない)に慣れた人が向きのない杖の技に慣れるには才能があったとしても時間を要すのが常です。
だから当会では入門程無く杖と剣の修練をほぼ同時に始めるのです。勿論体術と共に。
杖を振り回すと豪快な音がしますが、無闇に振り回すわけではありません。杖の型には全て意味があります。突くと、下手な正拳突きよりもはるかに威力のある凶器にもなり、分かれば急所突きにも効果的。相手の手足に絡めて絡め取りの技とすることも容易です。杖対杖を始めとして、杖対剣(太刀)、杖取、杖掛等の各種技法を学びます。級位段位ごとに覚える技、深めて修める技があり、体術と結びつけながら、共に習得して往くのが楽しいのが合氣道の杖術なのです。産毘の技とも伝わります。
公開制限下で示せるのは以上です。当会では技の内容を基本的に出せません。従って不特定多数の観れる動画は申すに及ばす、公開の場での技公開は禁忌とされています。直接接して直にその場で共に稽古に励めることが真への近道です。
<初段取得までに修める杖術>
主な型(組杖)
以下は舩戸之杖の一部
・基本杖三種
・基本形八方
・基本形八方相互突き(攻守)
・舩戸之八車
・天空地輪
・荒磯
・荒磯鍛錬組手(攻守)
・一桃(攻守)
・二桃(攻守)
※二段以降では舩戸之杖の後半から神武津美之杖まで修めて往きます。さらに技量が求められ技を深めます。
ー武産合氣會ー
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