相手(受け手)は太刀(剣)の代わりに素手の手刀でもって攻撃してきます。端的に太刀を特に意識した体捌きを心掛けます。又、合気道の技は剣術が元であり、太刀や杖を修練することが、合気道の体技の上達に欠かせません。
片手はその掌底を下にして臍下丹田を抑し下げる意識で、指先のみ構えた相手に向けます。もう片方の手は人差し指の先を相手に向け、そのまま刀を正眼に構えたと同じ感覚で両手を据えます。同時に肘を屈曲させることなく内に円を描くように腕全体を湾曲させます。さらに肩を下げ、腰を落とし、膝の力を抜いて正面打ちの構えとなります。受け手が進む、打ち込む際は身体全体が同時に進むように前出し、刀を振るがごとく両手を使い正面に手刀を繰り出すのです。合気道では半身立ちが基本であり、手足は同側移動することで捩り、捻りはなるべく避けるのが正しく、また身体の故障を生みません。
仕手(取り手)の構えは受け手と同じに見えますが、肩と腰を落とした楽な構えとなるよう自ら工夫することが必要です。緊張して身体か硬くなり構えが苦しくなっては合気の技は出せません。この時、呼吸法と共に相手を見つめない、目線を遠くにすることも緊張を解くコツの一つです。合気の技には、合わす、外す、先を取るという三原則があります。相手に打ち込まれたり、持たれてからどうしようと考える受け身の姿勢ではなく、自分から相手をお迎えし、導いていくのです。相手に捉われずに、相手の立場に立つことが大切です。この意識は取り方が両手取り、片手取り、胸取り、後ろ取り、突き、蹴り、等と変わっても同じです。
― 武産合氣會 ―
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